泣き顔にサヨナラのキス

 

 
グラスの中の氷がカランと音を立てた。


原口係長が無言で、あたしに手を伸ばす。


「じ、冗談ですよね?」


「どうかな?」


意地悪な笑みを浮かべて、あたしを引き寄せた。


な、何?


余裕が無くて思考が追い付かない。