目の前で何が起こったのか、理解出来ずに、ただ瞬きを繰り返した。


孝太の部屋に灯りが点くと、今見たすべてのことが現実なんだと言われているようで。


大きく吸い込んだ息が、吐き出せずに苦しくなる。


「お客さん?」


困ったように運転手さんが声を掛ける。


何か言わなきゃと想うけど、言葉が出てこない。


「……ぁ」


口を開いても、掠れた声が漏れただけ。