泣き顔にサヨナラのキス

 

 
あたし、知ってるよ。孝太が好きなものぐらい。


「お腹空いた、早く食べよ?」

「うん、座って待ってて」


ご飯の上にスライスチーズを乗せるんでしょ?
ちゃんとスーパーで買ってきたから。


孝太はスーツのジャケットだけを脱いで席についた。

あ……


孝太は部屋着に着替えなかった。


ご飯食べたら帰るんだ。 そっか、そうなんだ。


目の前に孝太がいるのに、気分が沈んでしまう。


「どうした?」


「ううん、なんでもない」