そして、私が大好きで、大好きなひと。
武田瞬が、杉崎の左隣だったりするものだから、めいを見ても、瞬をみても、嫌な杉崎が目の中に入ってきてしまうのである。
━よけい、イライラするぜぃ。
おまけに、この男、私を生徒会長に推選したのである。
「矢沢さんは、生徒を統率するリーダーシップがあり生徒会長に適任だと思います。」
なーんて乗せられたクラス全員が賛成。
いつの間にか、応援に、碓氷と五十嵐が加わり、私は顔が青くなった。
あの3人に、担ぎ出され、落選する方が難しいと思うぞ。
「美人で、成績優秀な矢沢真希。」
━お前達の方が常に上位にいるぞ。
「スタイルがよくて、スポーツ万能の、矢沢真希。」
━それは、お前達だろうが!
「女性なのに男前な性格の矢沢真希をよろしく。」
━それ、褒め言葉なのか?
全然よろしくされたくないぞ!
…そして、私は今生徒会長をしている。
━ああ、うれしい、(グスッ)

