強・憑いていますか?

 碓氷と五十嵐が瞬と話し、教室を出て行く。
 杉崎は私と擦れ違いざま、
 「よかったな、頑張れよ。」
 と私にだけ聞こえるように言うと、肩を、ポンと叩いて、めいと一緒に出て行った。
 めいに、バイバイと手を振りながら、杉崎の背中を見て思う。
 何もかもお見通しって感じがやっぱりイラッとする。
 それよりも、私ピーンチ!
 「…あの。」
 「…あの。」
 2人同時に同じ言葉。
 「どうぞ。」
 「どうぞ。」
 ━また、かぶった。
 瞬と同時に笑い出した私。
 「何だか、変な事になちゃったね。」
 笑がおさまり瞬が言う。
 「こちらこそ、でも、瞬って見える人だったんだ。
 私霊感がある人って、うらやましくって…。」
 「よくないよ!」
 私が何の気なしに、自分の思いを言うと、強い口調で否定された。
 私が驚いた顔をすると、瞬も戸惑ったような顔をする。