強・憑いていますか?

 杉崎がいたずらっぽく、私を見て言う。
 「矢沢なら、どんな霊だろうが、弾き飛ばして行きそうだものな。」
 「おあいにくさま、私、見たことないもの。」
 「そうだよな、霊とか大好きなくせに、霊感0なんだよな。
 かわいそうに。」
 その言葉で、瞬は顔を上げ私を見る。
 ちっとも、かわいそうに思っていないとみえみえの、肩をすくめる。
 そんな杉崎に、困り顔のめい。
 碓氷と五十嵐はあきれ顔。
 「…私が、れ、霊感ゼロだなんて、分からないじゃない。」
 「じゃあ、武田にずっと居れば、霊感があるか、ないか、分かるんじゃないか?」
 何か話がおかしな方向に行ってる気がするが、負けず嫌いの虚勢をはってしまう。
 「矢沢、武田の事頼んだぞ。」
 碓氷が冷静に言う。
 「もちろん。
 まかせてよ。」
 ━あー、何をまかせてよなのさ真希。
 瞬の事、私に何が出来るっていうのさ。
 私を一人にしないでおくれよ。
 瞬と2人で話した事ないんだよ。
 ぎゃー、2人っきりになっちゃうよ。