皆、瞬の近くで思い思いの格好をして座っている。
瞬は、少し躊躇いながらも、話始めた。
「…皆に信じてもらえるか…どうか分からない。
だけど、僕…人には見えないモノが見えるんだ。
小さい時は、嘘つき呼ばわりされたり、気味悪がられたりした。
だから、皆と合わせる事を必死で覚えた。」
皆、黙って聞いている。
瞬は、淡々と話している。
「皆さんには、霊の方が避けているから、僕より霊感が強いのかと思った。
こんな変な体質の事相談できる、って嬉しかったんだ。
でも、全く見えていない様子に、やっぱり、がっかりした。」
「こんなガサツ女の矢沢が見えてるわけないよ。」
そこ、笑いながら言うところじゃないから。
私は何気に霊感体質の人を探していた。
でも、現実は、霊感どころか、バリバリの現実主義な奴ばかり。
それなのに…ああ、それなのに…。
こんなに身近に居てくれたなんて。
━真希カンゲキー!
瞬への好き好きバロメーターがマックスを越え、ボンッと破裂した。
「矢沢さん、なんか特に…。」
そこへ、急に名前を言われ、反応が遅れてしまった。
瞬は、私が霊の話に引いていると映ってしまったらしい。
哀しげに、私から目を逸らす。

