「おい。建月。俺に挨拶はねーのかよ」
「あ、影無先輩いたんですかー?
わかんなかったですーごめんなさい。
あ、それ以上近づかないで下さいね。私の影が薄くなったら嫌ですから」

建月は、にこにこしながら毒を吐く。

「ああ、胸にしか栄養行かなかったせいで、視野が狭いのな」

「胸は関係ないです。影無先輩の変態。私の匂いとか嗅がないで下さいよ。きもい!」

「かいでねーよ。自意識過剰女がよ」

道中喧嘩をしながら、
寺崎の家につく。


「おーい」
寺崎を見つけ、
寺崎に抱き着いてきたのは、小学生位の男の子だった。
赤い髪は、肩まであり、髪の片方は不自然にハネている。学校には行ってないらしい。
ニートである。

自称・神とかいう危ない設定をまとっているらしく

それが妄想なのか、本当なのか俺は知らない。

普通の子供にしては、賢すぎる、以前解かせた俺の高校の問題は軽く全問正解していた。


ただのスーパー小学生か、小さくされた探偵か、
あるいは本当に神か、
見かけが若く見えるオッサンか、どれかだと俺は思う。


「神様なんだ」

寺崎は笑う。

実際に神様だとして、なんでここに居るかが謎である。


「神様なんですよねー」
神様の頭をなでなでしながら、
寺崎に調子を合わせるのは、建月である。というか、神の頭なでるとか、罰あたりな気がする。

いや、もしかしたらご利益があるのかもしれないな、と俺は思い、俺も神様の頭を撫でようとすると、バシっと神様に手を叩かれた。

理不尽極まりない。