その日は、少し肌寒かった。
俺と姉は、かくれんぼをすることにした。


「いつも私が鬼になると弟ちゃんを見つけれないから、今日は私が隠れるね」
姉はそういった。
俺はかくれんぼをすると、必ず見つけてもらえない。
隠れるのがうまかったからかもしれない。

その日の姉は、人形みたいなフリフリの服を着ていた。
白い、陶器のような姉の肌。
桃のようなほっぺた。

絹のような髪。


人形のような衣装を着ているにはわけがあった。
姉には算段があったのだ。

そう、彼氏のドールハウスに隠れて人形のフリをするという算段である。

人間大の人形や、小さい人形。
あそこに隠れるつもりだったのだ。