久しぶりに転校生とあっつた。

「どうした?」
転校生は兎を見ていた。
「温かいわ」
「そらそうだ」
「モフモフしてるわ」
兎をモフモフと、なでる転校生。

「人間には、こんな風に体感出来ているのね」
「まあな」
「ど、どうしてもっていうなら、あんたも撫でてあげていいわよ!」
「撫でたいなら素直にいえ」
「・・・べ、別に!」
「人間も触ってみたいんだろ?」
「う・・ん」
「ほら」

撫で撫でと、転校生に撫でられる。
子供の頃よく、両親に撫でられたなあ。と、
思い出す。


俺には、姉が居た。
優秀な姉。

いつも姉と対比された俺。
姉は人形が好きだった。
そして、人形みたいに整った顔の姉。



姉がいなければとー。


「ちょっと・・顔色悪いわよ」
「いや、大丈夫だ」
「わた、私、顔、見てないわよ!」
「大丈夫だ。すまない」

お面の下の表情は、伺えない。
だが、心配をしているだろう。


「保健室行きなさいよね!」

よほど心配だったのか、保健室へ行かされた。


「ありがとう」
とお礼をいったら、
「あんたのためじゃないわ!」
と言われた。


そして

「な、夏まつり、楽しみにしてるわ」

といい。
走っていった。