なかなか複雑なようである。
「一言も交わしたりしなくても、なんとなく何回も顔を合わしたりするうちに、好きになったりとかするのよ。
ケースごしに毎日見てて、ああ好きになってしまったな。
って思うの。純愛よ!純愛」
「それは、単純接触の原理じゃねーの?」
「は?な、なによ。それ」
「んー?いや、だから、何回も顔を合わしてるうちに、なんとなーく好意を持つってやつ。一回しか顔合わせないより、何回も合わせたやつの方が好きになるだろ?」
「ふ、ふん。あんたたち人間は下品ね!すぐそうやって、全ての現象に理由を求める」
「そりゃ、理解出来んもんは怖いからだろ」
人形が人間になるのも理解出来ず怖いがな。

「心の作用に一々理由なんかつけなきゃ生きていけないわけ?野暮ね!」
「野暮で悪かったな」
「私の姉は」
「ん?」
「焼かれたのよ」
「うん?」
「引っ越しの時、邪魔になるからって」
「姉は、私と色違いのピンクの服を着ていて、目は、私と同じ赤だったわ」
「…なぁ」
「なによ?」
「お前、人間を怨んでいるか?」
「…分からないわ」
「そうか」
「ええ。ちなみに、私は、ヤ●オクに売られたわ」
「急にリアルになったな…」
「う、うるさいわね!」
「というか、やっぱ人形なのな」
「違うわよ!も、妄想の話しよ。私の妄想よ!現実じゃ、ないわ。」
「お前、それはそれで危ないやつだぞ…」
「なによ!この世界の中学生は、自分の世界を作り出して生きているじゃない?」
「それは多分、特殊なやつらだけだ」