遠くで寺崎の声が聞こえる。
叫んではいるがきっと
寺崎は無表情でだろう。

だが逃げだ。廊下を走った。


脇腹が痛い。
だが止まらずに走る。


「きゃ…」

廊下で小柄な女の子とぶつかった。
黒髪の綺麗な女の子。

頭には可愛らしいリボンのカチューシャをつけている。

「君、前!?」