少し、涙目っぽかった。
しかたないから、ジュースで機嫌を直してもらうことにした。

「あ、美味しいわね」
コワゴワと、ジュースに口をつける転校生。
ちなみに、プルトップも俺があけてやった。
「飲んだことないのか?」
「馬鹿にしないでよ」


まあ、ジュースなんて飲む必要なかったんだろうな。

「人間は、こんなものを飲まないといけないのね。難儀なものだわ」

こいつ今、自分が人間じゃないこと認めたぞ。
「あ、ちが、ちがくて、いつもは水を飲んでたのよ!」
ふう。と、一息つき。転校生は俺に問いかける。

「ねえ」
「何だ」
「もしもの話よ?」
「ん?」
「あ、もしもの話よ!
人形はどうすれば、人間になれるかしら」
「そんなオカルトありえないだろ」
「と、友達の話よ。」
「お前友達に人形がいんの!?」
「う、うるさいわね。友好関係が広いのよ」


それは、友好関係うんぬんの問題ではない気がする。




「その友達は・・」
「・・・」
「どうして、自分が人間になったか、分からないらしいわ。
何の目的で、自分が人間になってしまったか、分からないのよ」
「オカルトだな。ファンタジーというか」
「そうね。ま、に、人形が人間になるなんて、ありえないわ!」

なるほど。こいつは、自分が何故人間になったか、知らないらしいな。