「では指輪の交換を」

「「はい」」

互いに向き合いまず真李亜から左手を出した。

巧は真李亜の左手を取りそっと銀細工のシンプルな指輪を薬指にはめた。

「ぴったり」

真李亜が小さな声で言った。

「……真李亜の事なら何でも分かる。」

巧も小さな声で言った。

その言葉が嬉しくて真李亜は心が温かくなった。

「ありがとう」

そしてその言葉と同時に巧の左手の薬指に指輪をはめた。

牧師は指輪の確認をするとにっこり微笑んで告げだ。

「では最後に…参式者の方々の前で誓いのキスを」

巧は真李亜の体を抱き寄せると、くいっと指で真李亜の顎を持ち上げて私にしか聞こえない位の小さな声で「綺麗だよ」と言って、いままでしたことのないほど優しくて甘いキスをした。