私は今年で高校二年になる。
県でも有名な女子校に通わせてもらい、本家の人間として恥のないように育てられてきた。


親は業界でも有名な腕を持つ医者だったから、私はすごく嫌だった。


だって、期待されているのが目に見えている。


失敗したらどうなる?


その疑問とプレッシャーに押し潰されて、私は自由奔放に生きることにしていた。


とりあえずやりたいことはやる。


でも、やることはやる。
いつも定期テストは首席をとって親の鼻を高くした。


お祖母様も何も言わない。


というか、お祖母様は私が自由にしていても首席をとらなくても何も言わない。


小さいころから私に言っていたから。


「黄衣子は自由に生きなさい。家に縛られずに」


あの時のお祖母様の声が今でも耳に残っていた。