「あんたなんかあったでしょ。」


疑問文ではなく肯定文。

これが、学校で朔に会って一番最初に言われたこと。


この人まじエスパー。

そう思っても、言葉には出さない。


「え、いきなりどうしたの」


私は持ち前の演技力で朔をかわそうとした。

まんがで言えば、

普通の顔で頭にはてなを浮かべている表情。


「あんたねぇ。

あたしがかわせると思ってるの?」


朔はにやにやしながら私のほっぺをつねった。


思っていませんけども。

そりゃ思っていませんとも。

朔に嘘つけたことないもん。


「あんたがいくら演劇部のエースだったとしても。

そんなのあたしには通用しないの!」


朔は私のほっぺをひっぱってから勢いよく離した。


「いひゃぁい!」


奇声をあげたのは気のせいですよ。


それよりも、

話をそらさなければっっ!!