「玲、玲!起きて?」
朝、目を覚ますと蓮の顔がドアップで写っていた。
びっくりして夢かと思った。
「ん、蓮。おはよう。」
私は目をこすりながら起きあがった。
すると、なんだか蓮の様子がいつもと違うことに気付いた。
ずっとにこにこしている。
不自然に満面の笑みを浮かべてずっとこっちを見ている。
「れ、蓮?どうしたの?」
朝はいつも蓮が起こしに来てくれて、
毎日、朝と夜にキスをする。
家で二人になったときは、もっと。
今日は朝のキスの代わりに蓮がおかしくなった。
「いや、別にー」
いやいや、別にじゃないだろ。
心の中でつっこみを入れておく。
「それより、早く朝ごはん食べるよ」
そう言って蓮は寝起きでふらつく私の手をとり、
部屋を出た。