「鳴海ちゃん早くおいでよ!」
零くんに呼ばれて私は走って零くんたちのところまで行った。
教室に戻ったら大変なことになりそうだなぁ。
魁くんたちも来ちゃったし…。
瑠衣くんだけでも大変なのに、魁くんたちまで来てしまったらもっと大変だ…。
「鳴海、どうした?」
「な…なんでもないよ?」
「ふーん…」
瑠衣くんは私の横を歩きながら考え始めた。
……?
どうしたんだろう…。
「教室に戻ったらどれくらい女子がいる?」
瑠衣くんは後ろにいる零くんに聞く。
なんでそんなこと聞くんだろう…。
まさかまた顔に出てた!?
「どれくらいって、まだチャイム鳴ってないから結構いるんじゃないかな」
結構ってどれくらいいるんだろう。
多いのかな。
やっぱり瑠衣くんはモテるから私なんかが好きになっちゃいけなかったんじゃないのかな?
「鳴海、お前何考えてる?」
瑠衣くんはいつもより低い声を出す。
「別に…」
「別にじゃねーだろ、もし俺のこと好きになっちゃいけなかったって思ってたら止めろよ」
「なんで?」
「俺がお前のこと好きだからに決まってんだろ」
「お前らイチャイチャしすぎ!!」
魁くんが途中で話に突っ込んできた。
「魁、うるさい」
「うるさくていい…」
ムッとしながら魁くんが答える。
「邪魔すんな」
「する」
な…なんか険悪なムードに…。
「さっ、この二人は置いといて鳴海ちゃん行こっか」
ニコッと笑って私の手をとる零くん。
「へっ?」
「っておい!零お前なぁ」
「零何どさくさに紛れて手なんか繋いでるわけ!?」
あぁ、また始まった…。
「鳴海は俺のだって言ってんだろーが」
「でも、僕たちは言ったはずだよ?隙あらば手を出すってね」
「そうそう!オレも言ったよ邪魔ならいつでもするって!」
ニコニコしながら二人は私たちを見る。
「鳴海が俺のそばにいるかぎり邪魔はさせねーから大丈夫」
瑠衣くんはフッと笑って自信満々に言い切った。

