「鳴海は優しすぎるんだよ。あいつらなんかほっとけばいいのに」

「瑠衣は冷たいよね」

「誰にでも愛想振りまく零の方がたち悪いと俺は思うけどな」

「優しくないよりはましでしょ?」


あぅ、2人の言い合いが始まってしまった…。


「か、魁くん…」


助けを求めようと魁くんを見上げる。


魁くんは一瞬私から目を逸らしたけれど、もう一度私を見つめ、深いため息をついた。

「あー…。ダメだ無視しようと思ったけどなるちゃんにそんな目で見つめられると拒めないっ!」


…?


魁くんは何を言ってるんだろう?


私の目?


よくわかんないや…。


「ほら、2人ともなるちゃんが困ってるからやめたやめた!!」

「鳴海ちゃんが困ってるなら仕方ないか」


零くんはニコッと私に笑顔を向ける。


「チッ」


と舌打ちしたのは言うまでもなく瑠衣くんだ。


「はい終わったー♪さっ、早く家帰ろー。なるちゃんはオレがしっかり送ってあげるからね」

ニコッと私に笑顔を向けると魁くんは私の手を握った。


…この手はなんでしょうか?


「だーれーがしっかり送ってやるって?それは俺がするからいいんだよ!つーか何手なんか繋いでんだよ!鳴海は俺のだろ!!」


「うわぁー。独占欲の強い彼氏ってやだよねー。ね、なるちゃん」

「へっ?あっ…私はその…嬉しいかも…」

「マジかよ…」


「う、うん…」


「だって。良かったね瑠衣」


零くんはニコニコしながら瑠衣くんに言った。


「お前の顔むかつく…」


そんな言い合いをしながら、瑠衣くんたちはしっかり私の家まで送ってくれた。