「小さい頃もやってたろ?」


「やってたね、瑠衣くん、あの時5歳だったのにどうしてそんな言葉知ってたの?」


「あぁ、親父がまだ小さかった俺に、好きな女の子が自分の言うこと無視するようだったらお仕置きって言えばいいって言われたんだよ、今思えばガキに何教えてんだって思うけどな」


確かに…。


すごいお父さんだなぁ。


バンッゴンッ


「イッテェ!!」


いきなりドアが開いて驚いた私と瑠衣くんはドアの方を見た。

しかも、何か鈍い音がしたような…。


そこにいたのは魁くんと零くんだった。


「魁くん、零くん…」


私は瑠衣くんから離れて二人を見た。


「あっ…邪魔しちゃった?」


零くんがニコッと笑う。


相変わらずかっこいい。


「あきらかタイミング見計らって来ただろ」


「なんのこと?僕知らないよ?」


「とぼけてんじゃねー」


やばい…瑠衣くんの怒り度MAX!!


ここは話をかえないと…。


「そ…それより、さっきドアが開いたと同時にゴンって鈍い音がしなかった?」


「それね、入ろうとしたときに戻ってきたドアにゴンって魁のおでこに当たってね」


だから『イッテェ』って声が聞こえたんだ。


「大丈夫?」


私はおでこを押さえる魁くんに声をかける。


涙目になってる魁くんがちょっと可愛いと思ってしまう。


「大丈夫じゃねーよ…すっげー痛い」


魁くんのおでこを見てみるとタンコブができていた。


痛そう…。