二人の保険金により、借金は返済出来た。



だが、花音は同時に両親を失ってしまったのだ。



まだ5歳の花音にとって、借金どうこうの問題などわかるハズもない。



ただ、大好きだった両親が居なくなり、自分はもう一人なのだという思いだけがそこに残る。



親戚の中で花音を引き取ってもいいという人物はおらず、病院を出てから花音は施設へと入る事になった。



施設での花音の暮らしは実に平坦な物であった。



それなりに仲の良い友達も居る。



先生たちは優しい。



だけど。



両親が居ない。





それは淋しくて悲しくて。





孤独だった。