「…綺麗、だった」



それでも何とかそう言葉を落とした。



カイルの表情の意味などわからない。



だけど、綺麗な物を綺麗だと言って何がいけないというのだ。



それは一度「綺麗」と言葉にした自分に言い聞かせる為の言葉だったのかもしれないけれど。





「……そうか、」





言葉を落として違う方向を向いてしまったカイルの表情は花音には窺えないまま。