「…私は。カイルには笑っててほしい。カイルは優しいから。孤独とか罪悪感とかずっとそれを感じて、押し潰されそうになって。だから…、私はカイルをそんな目に遭わせた貴方達が…何もかもカイルに押し付けた貴方達が嫌いです。貴方達はズルすぎる」




花音の言葉に王妃は何度も「ごめんなさい」と口にしながら泣き崩れた。



カイルは先ほどまで感じていた苛立ちがスっと治まっていくのを感じて。



ジークと国王は薄く笑みを携え、花音を見据える。




「…カイル様。中々気の強い方をお選びになりましたね」



「いや、本当に。娘になる者にハッキリと嫌いと言われるとはな」




二人の言葉にカイルは苦笑しながらも頷いた。



そんな三人のやりとりを見て、ようやく花音は言い過ぎたと気付くがもう遅い。



それでも、国王も穏やかな笑みを浮かべていて、どこかそれにホっとしたのだった。