時は数百年前のこの場所。



シャボンの国に遡る。



この日、シャボンの国はこの世界を挙げての一大事に見舞われていた。






「…!まだ生まれんのか!」





歳は人間で言えば30歳半ば程だろうか。



銀髪に白いマントを羽織り、頭には冠を乗せた人物がある部屋の前で先ほどから行ったり来たりを繰り返している。




「王!お気持ちはわかりますが少し落ち着いて下さい!王妃様も今頑張ってらっしゃいます!」




「そんな事はわかっておる!」




取り乱す彼を彼の従人が宥めようとしても彼がそれを聞き入れる事は無い。




こんな事がもう何時間繰り広げられただろう。




そしてようやく、部屋の中から大きな赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。