もうすぐ夏だ。
夏…そう、
夏といえばやっぱり夏休み。
そんな6月中旬…
「もうすぐ合唱コンクールねー、A組も準備をそろそろ始めようかしら」
しげちゃんがボソッと言った。
そうだ!!中学のビックイベントといえば合唱コンクール。
合唱コンクールの事は前に少しだけ、レイ先輩に聞いた事がある。
しげちゃんはいつも大事な物事をボソッと言うからやんちゃ者が集まった私のクラスメイトは誰一人聞いてなかった。
私は三歳のころからピアノを習っていたから合唱コンクールの伴奏者をしたかった。
しげちゃんに話してみた。
「しげちゃーん!!私、合唱コンクールの伴奏者やりたい!!」
やっぱりお母さんみたいなしげちゃんにはタメ口になってしまう(笑)
「ユミが!?!?」
しげちゃんは驚いたように答えた。私なんかがピアノを弾けるとは誰も思わないだろう。
「私じゃダメー??」
「もちろんいいわよ」
しげちゃんは優しくOKしてくれた。
しげちゃんはクラスメイトに合唱コンクールの話しをした。
「みんなー、聞いてー!!」
ざわつきが静まった。
合唱コンクールについて、しげちゃんが話しはじめた。
「10月に合唱コンクールがあるの。中学ではビックイベントだわ。優勝狙ってみんなでがんばりましょ。それで…合唱の伴奏者なんだけどー」
「私やりたいです。」
クラスでも仲の良いリオが言った。
伴奏が出来るのは一人だ。
そう、譲りたくても譲れない戦いが始まったのだ。
もちろん、リオにも弾いてほしい。でも私は譲ろうという気持ちは全くなかった。
音楽の先生としげちゃんとで話し合いが行われた。