「ん…」


意識が現実に戻ってきた
身体を小さく丸め
ベッドの傍らに置いてある眼鏡に手を伸ばす


「あれ?」


眼鏡を掛けてみれば違和感を感じた


視界がぼやけて見えないのだ


「おかしいな……眼鏡買い替えたばかりなのに」

ポツリと呟いて眼鏡を外す


「…え?」

その瞬間視界がクリアになる




もしかして、目が良くなった?


いやいや、一晩で良くなるなんて有り得ない!



「博孝(ひろたか)!起きなさい」


首を傾げていると部屋の扉がノックされて母が声をかけてきた


「あ、うん…ごめん」



よろよれなセーターとジーパンをタンスから引っ張り出して急いで着る



髪を適当に手櫛をして部屋飛び出した