「あの、篠原君」


遠慮がちに近づいてきた女の子


「何かな?」


笑顔で答えれば頬を紅潮させる
可愛いな…この子


「あ…のね…。メアド、交換したいなぁって」




そう言われた瞬間胸に込み上げる虚しさ


何だ、すっごい悲しい





俺の中に二つの感情が揺れている




嬉しい

でも

寂しい




なんで僕の時と態度が違うの?

喉まで出かかった言葉



「篠原…君?」

心配そうに見つめる女の子

我に返った俺は微笑んだ





「いいよ」