「卒業生、入場!!」


先生の声と共に、体育館の扉が開く。



緊張する、あたしの胸。

ドキドキが聞こえてしまいそうだ。




入場曲は、威風堂々。


緊張で、震える指。

序盤の早いテンポはフルートパートが難しく、何度も何度も練習した。


他でもない、先輩のために。



だから、ちゃんと、演奏しなきゃ─。