「優衣っ」


母の必死そうな声が聞こえる




あの手紙を書いた日から



数ヵ月、私の病態は急変した



字が書けなくなった



歩けなくなった



喋れなくなった




私、死ぬんだな…



私は、母の悲しそうな顔と



担当医の先生が必死に看護師さんに指示をしているのを



横目で見てそう感じた



以外に冷静な私



自分でも驚いた




そして、この終わりに身を委ねようと目を閉じると



蓮の顔が浮かんで見えた








…さよなら、私の大好きな人