ガラッと音を立てて職員室の戸を開けて、横山先生の姿を探す。
「あ、いた」
自分の机で何やら資料を作成中の横山先生の所へ向かう。
下書きなのか、何故か手書きだ。
「横山先生っ」
「あら一ノ宮さん。どうしたの?」
どうしたの?…じゃないわよ!
「どうして中間の順位発表が中止なんですか!?」
私がそう言うと横山先生は数回瞬きしてからこう言った。
「なんかね、今はああいうのも個人情報が何やかんやでねちょっと止めとこうかって話になって…」
あー…もう、この人に説明を求めた私がバカだった。いや、この人よりかはバカじゃないけど。
「わかりました。それでは失礼します」
「はいはい、お疲れ様」
先生はまた資料に手をかけた。
「あ、そうだ。先生、快楽の字間違えてますよ。快は手へんじゃありません」
……てか、どんな資料だ。


