私がそう言うと槇は大人しく黙った。
そんな槇を放っておいて私は思考を巡らせる。
テストの順位発表が中止?
テストっていうのは、今度の中間考査のことよね。
そして順位発表は私の努力の発表の場。
それが、中止ってことは……
「私の楽しみが無くなるってことじゃない!!」
「順位発表を楽しみって言ってるところが会長らしいですよね」
というか、ちょっと待って。
どうしてそんな大切なことを生徒会長の私じゃなくて書記の槇(こいつ)が知ってるわけ?
「あ、僕書記だったんですね」
「今更なによ」
「いえ、別に。書記の割には仕事をしたことないなぁ…と思いまして」
そりゃそうよ。
「私が全部やってるもの」
「ああ、そうじゃないかとは思いました」
「そんなことは、どうでもいいのよ!」
何であんたが知ってるのかって聞いてるの!!
「さっき横山先生が教えてくれました」
「横山先生……」
あの人、生徒会の顧問だったはず。しかも美人でイケメン好きの27歳英語教師。
槇は 無 駄 に顔はいいから教えたのね。別にいいけど先に私に教えなさいよ、あのバカ。
「無駄にって…ひどいですね会長は」
「とにかく!!どうして無くなったのか説明して貰わなくちゃ!横山先生の所へ行ってくるわ」
「いってらっしゃい」
ヒラヒラ〜と手を振る槇を尻目に私は職員室に向かった。


