この学校で唯一私のことを会長と呼ぶこの男は槇 帝。
顔よし、頭よし、度胸なしのある意味三拍子揃ったなんとも残念な奴だ。
いや、私を会長と呼ぶあたり……逆に度胸あるのかしら。
「なに?」
「図書館行くんですよね、僕も一緒に行っていいですか?」
「い、や♪」
「な、何でですか?」
「だって槇ってば勉強しないじゃない」
そう、今までも何度か一緒に勉強してきたけど…こいつ勉強してない。
いや、ノートは広げるのに全っ然書かない。
解らないのかと思って教えてみれば一発で解くし……。
なんていうか、ムカつくのよね。


