未完成な妃



「違いません」


「は?」


「僕のこの手は会長を抱き締めるために


この足は会長の隣を歩くために


この心臓は会長にときめくために


この目は会長を見つけるために


この耳は会長の声を聞くために


そして


この口は会長を誉めるために存在しているんです。」



そう言って槇はそれはそれは綺麗に微笑んだ。

不覚にも私の心臓をうるさくして。