「あれ?」
「何よ」
槇がテスト範囲を見て顔をしかめる。
「何だか随分テスト範囲が狭いんですね」
「あ、ええ……楽になるわね…「会長つまらないんじゃないですか?こんなんじゃ遣り甲斐がなくて」
「え?」
「だって狭すぎるでしょ?会長はもっと頑張りたいですよね」
「……!!そ、そうよね!!」
「クスクス……」
やっぱり槇は分かってるのね。そうよ、頑張らないでどうするのよ。
なのに……みんな、頑張らなくていいなんて……。
「会長?」
「え?」
「どうしたんですか?」
「何が?」
「よしよし」
「……何してんの」
「え、撫でてるだけですけど」
いや、だから何で撫でてんのって。


