未完成な妃



はあ……


テストの範囲表を教室の後ろの黒板に貼る。

全部のクラスに貼って回って、私のクラスで最後。


「……っと。終わったー…」


ふと範囲表を眺める。

……やっぱり少ない。
英語だけじゃなくて、数学や古典も……全部。


こんなんじゃ全然…「会長?」


「槇!!」


槇が扉にもたれ掛かってこっちを見ている。


「何してるんですか?」


「いや、それはこっちの台詞よ」


何してんの、あんた。


「僕は会長の気配がしたので見に来ただけですよ?」


「……何者だ」


気配て……。



「それで、会長は何を?」


「ん」


範囲表を指差す。


「ああ…」


槇はそれで分かったのか苦笑い。


「お疲れ様です。言ってくれればお手伝いしたのに」


「あー、今度ね」


「それ何回目ですか」


「まあ、いいじゃないの」