未完成な妃



「ん、でも顔赤いですよ?」


「赤くない。幻覚だ。病院行け」


「あれ、僕の心配してくれてるんですか?大丈夫ですよ。僕の目はいつでも会長を映してますから」


「重症だな」


「これも愛故にですよ」


「あっそ」


「冷たいですねぇ」


「あら、ごめんあそばせ。わたくしの最大級の温もりでしたのよ」


「はははっ!会長が言うと気持ち悪いですね」


「帰る」


私は鞄を持ってさっさと図書館を出た。