「ふむ……」
成る程納得。確かにこれは気持ちいい。離れ難いのもわかるわね。
「会長ー…ま、まだですか?」
「んー、まだね」
「うぅー」
珍しく真っ赤になって余裕のない槇にだんだん楽しくなってきた。
「槇の髪は茶色のくせに、あんまり傷んでないのね」
「だってこれ地毛ですもん」
「はあ?ハニーブラウンが地毛ってあんた何人よ」
「祖母がアメリカ人なんです」
「へえ…槇ってクォーターだったの」
「はい。祖母に感謝です」
「…何で?」
「だってこの髪のお陰で会長が近いんですもん」
「………」
「……イタタタタ!!会長!?何でいきなり引っ張るんですかぁ…」
「うっさい。槇のバカ!!」
槇の言葉に冷静になって見てみると私が乗り出したせいで槇との距離はほんの十数センチ。
引っ張ってしまったのは私のせいじゃない。うん、槇のせいだ。
「もうホント……可愛すぎますって」
「滅べ」
「クスッ。照れてる会長も可愛ですね」
「照れてないっ!!」


