DOLL+〜ボロボロだった俺の女〜

「そう。 じゃぁ、あがってあがって〜」


あじさいの着物の女の人に急かされ、店の中に入った。



すると、綺麗なお姉さん達が女の人と私に……




「お帰りなさいませ。ママ!

よろしくお願いします」



にっこり笑いながら、皆…優しげにそう言った。




その姿があまりにも美しすぎて…−−



一瞬、私はどこにいるのか分からなくなってしまった。




「はーい! 皆よくきーてね。

この子は今日から入る美空ちゃん。

みんな仲良くしてあげて??」


パンパンと手を叩き、私を見るあじさいの着物の女の人。



……美空?
美空って???


そう解らない視線を女の人に贈ると。


「ふふ、やっぱり分からないわよね……」


ママという人(あじさいの着物の女の人)が、説明してくれた。



「ここわね、源氏名というのが必要なの。

たいがいは……わたしじゃなくて、皆の自由で名前を決めてもらっているの。

でも、美空ちゃんは別。
それと、私のことはままで。

……わかったかな?」


そして綺麗に笑う、あじさいの着物の女の人…いや。


−−ママ。



「……はいっ! ママ。美空ですね、頑張ります」



ママの説明を聞いてなんとなくわかった私は
ママに改めて、よろしくを伝えた。