私はソレをパカッと開くと、ボタンに手をかけるのを躊躇(チュウチョ)する。



ソレを押すか押さないか。電源をつけるか、つけないか……――




でも私は左視界に入った時計を見て、意外にも時間がたっていた事に気が付き、ソレをパタンと閉じると鞄の奥底へと入れた。



水色。

鮮やかな水色が私を水から守るようにして、ポツンポツンと音をたてながら落ちていく…………。