もう今日で最後かもしれないのに、ツカサやハルマ…皆とはろくにバイバイもできなくて 私の家の前に止められたピカピカ車から先に下りたのはレツだった。 だからいくら話しが聞きたくなくても レツとこのまま離れたくなくても 車から出ないわけにはいかない。私はバンッとドアに小さめな音を立てて道路に踏み出した。 「………」 「………」 「ジュン、」 低く良く通るレツの声…… 「…な…に……、」 それとは対照的に震えている私の情けない声