私は持ってなかったから。レツや皆に会うまで何にも信じなかったから…絆なんて無かった。 「ジュン、」 レツに呼ばれ振り返ると、レツはすでに特攻服から制服に着替えていて 「話しがある、家まで送る」 久々に聞いたその単語、ここ最近言われる事の無かった“送る”という言葉に、喜んだのと同時にビクリと体が震えた。 話しって何だろう…私は何を言われるんだろう…… 聞きたくない。 何も聞きたくない。 “別れ”なんて聞きたくない。