「お前が及ぼす力がどれだけのものかを考えた事はあるのか」


「どういう意味だ」


レツのお父さんは「ふぅ」と溜め息を吐き出すと、長く綺麗な指を絡ませそこにアゴを置いた。



「自分の立場を、今まで好き勝手やってきた人生を、お前はどう捉える?」


「…………」


「まさか、こっちに何も迷惑がかかってないだなんて思ってないだろうな」


「………」


「お前は子供だ。」


「…………」


「何も分かっていない。うちの会社の事も、そのお嬢さんの幸せも」



私の……幸せ……?