REAL HOPE Ⅳ




「言っとくが、親父が何と言おうと俺はジュンと別れる気はねぇ」


「………」


「言いなりになるつもりもねぇ」


「………」


「何が跡取りだ。ふざけんな、あんたの言いなりになるぐらいなら……」


“俺はこの家を出る”


多分レツはそう続けようとしたんだと思う。


でもレツがそれを言えなかったのは、レツよりも先に、レツのお父さんが声を出したから



「お前はまだ子供だな。」



そう言ってレツを視界に捉えたから。