REAL HOPE Ⅳ




レツは掴んでいた私の手を離すと、ドカドカとその人物の前まで歩いていく。



こっちからは、そのレツの表情が見えないけれど…見なくても分かる。


レツがどれだけその人を睨み付けているのか。



どれだけレツのお父さんを鋭い視線で捉えているのかが…。



「なんだ、レツ」



先に声を出したのは、予想外にもレツのお父さんの方だった。



その声は落ち着いていて、脈一つ乱さないほどの冷静さ。