「行くぞ。」
レツは、車の鍵もロックしないまま私の手を握ると
大きな玄関を勢い良く開けた。
今は夜の8時だから、家の人が寝てるって事はないだろうけど
もう少し静かに開けらいいと思う。そうじゃないとドアが壊れかねない…
レツに腕を引かれたままの私は、靴を揃えるヒマさえなく…むしろ、靴のまま家の中に入っちゃいそうな勢いで
レツのお家に上がり込んだ。
「ちょっとレツ!!やっぱり私行ったらマズイと思う!!」
そう叫んだのとほぼ同時だったと思う。すでにレツの手はリビングに繋がるトッテへとかけられていて
ガチャリと新鮮な音を立てて開いていた。



