REAL HOPE Ⅳ




「行くぞ。」


レツは、車の鍵もロックしないまま私の手を握ると


大きな玄関を勢い良く開けた。



今は夜の8時だから、家の人が寝てるって事はないだろうけど

もう少し静かに開けらいいと思う。そうじゃないとドアが壊れかねない…


レツに腕を引かれたままの私は、靴を揃えるヒマさえなく…むしろ、靴のまま家の中に入っちゃいそうな勢いで



レツのお家に上がり込んだ。



「ちょっとレツ!!やっぱり私行ったらマズイと思う!!」



そう叫んだのとほぼ同時だったと思う。すでにレツの手はリビングに繋がるトッテへとかけられていて


ガチャリと新鮮な音を立てて開いていた。