バンっと大きな音を立てて私側の扉が閉まった時には、すでに反対側からレツが乗り込んできていて 車はなめらかに走り出した。 隣には片手でハンドルを握り締めるレツ、レツが車を運転している姿を見るのは初めて。 その姿があまりに絵になって、こんな時なのについ見惚れてしまう私……。 あたりはすっかり夜で、車や建物 外灯がキラキラ光っているのが視界に映る。