「離せ」 「やだ!」 「離せよ」 「やだってば!!」 私なんかレツが本気で振りほどけば一発なのに、それをしないのはレツの優しさなんだと思う。 「分かった」 「?」 「お前も来い」 「………えぇっ!?」 レツは私が掴んでいた腕を手にとると、そのままグイッと引き寄せて扉を開けた。 二月の冷たい空気が一気に私に押し寄せる 「ちょっと!!待ってよ!!」 私も行くの!?それはそれでまずくない?