だから……、 だからレツ。 外灯の下でしゃがみこんでいた影がゆっくりと立ち上がるのが分かる。 私は勢い良く部屋から飛び出すと、転げ落ちる勢いで階段をおりた。 それと同時に、ゆっくりと玄関の扉を開けるのは、寝ているであろう父達を起こさないため。 一応こんなんでも、こんな時でも常識くらいある。 だからまたそれをゆっくりと閉めた私は、完全に閉められた扉を背に叫んだ。