月光にかざしていた指輪。 そこから少し視線をずらした先に見えるのは、一つの外灯とそのしたの影。 いつかもこの景色を見た気がする。 確かあの時、レツから逃げ出した私をずっと待っていてくれたあの雨の日、 この部屋には電気は灯されていないから、あちら側からこっちは見えないだろう けど、こっちからは見える。外灯の下でしゃがみこんでいるレツが… こんなに遠いのに……一体どんな顔をしているのか凄くよく分かる。