バイクはなめらかにゆっくりと私の家の前に止められる。 私はメットを外すと、バイクの後ろに乗ったままもう一度さっきの言葉を繰り返した。 「ねぇ、ツカサ」 「なんだよ?」 「………」 「…………」 「ねぇ、」 この言葉を言うか迷う。だってもし、もし私がこれを言った事を否定されたら…… 私は立ち直れない。 きっと一生立ち直れない。